真の手仕事は、急ぐことができない
土を選び、形を与え、乾かし、焼き、据える——そのすべての工程には、それぞれに固有の時間が流れています。私たちは効率のために工程を省略することをせず、素材が本来必要とする時間をそのまま受け入れることを大切にしています。量産では決して再現できない質感は、こうした時間の積み重ねの先にしか生まれません。
土がかたちになるまでの、五つの工程
採土から施工まで、Clay Vault Gate の職人が一貫して手がける工程をご紹介します。
採土 — Sourcing the Clay
信頼できる各地の産地から、自然由来の粘土を選び抜きます。粒子の粗さ、粘り、焼成後の色の出方を職人自らが手で確かめ、プロジェクトにふさわしい土だけを採用します。
成形 — Forming
手びねり、ろくろ、型を用いた成形など、部材の性格に応じて手法を選び、建築の一つひとつの要素を職人の手で形づくっていきます。
乾燥 — Drying
急激な乾燥はひび割れの原因となるため、時間をかけた自然乾燥を行います。ゆるやかに水分を抜くことで、素材本来の質感と強度を守ります。
焼成 — Firing
薪窯またはガス窯でじっくりと焼き締めることで、色に深みが生まれ、素材としての硬度と耐久性が備わります。窯の中で起こるわずかな変化さえも、仕上がりの個性となります。
施工 — Installation
成形を手がけた職人自身が現場に立ち、据え付けまでを行います。工房での手の記憶がそのまま敷地の入口へと引き継がれ、素材と現場の一体感が保たれます。
竣工は完成ではなく、始まりにすぎない
据え付けを終えた土の壁は、そこから新しい時間を歩み始めます。雨風にさらされ、苔をまとい、季節ごとの光を浴びながら、色合いは少しずつ深まっていきます。
私たちはこの経年変化を欠点ではなく、素材が生きている証として設計に組み込みます。竣工時の姿だけでなく、十年後、三十年後の表情までを思い描きながら、土を選び、形を与えています。
工程がつなぐのは、素材だけではない
私たちの工程は、単体の建材を作ることを目的としていません。庭の木々の配置、敷地に差し込む光の角度、訪れる人の歩みのリズム——それらすべてとの関係を考えながら、一つひとつの部材の寸法や色を決めています。
工房で生まれた素材が、庭や敷地という大きな風景の一部として静かに馴染んでいくこと。それこそが、私たちの工程が目指す最終的な姿です。
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